夜になって何だか気持ち悪くなり、吐いた。トイレで、赤いスイカの汁が大量に出て、まるで吐血したみたいだった。しかし、二日酔いのつらさとは異なり、吐いたら楽になってすぐ眠れた。
アメリカのスイカは巨大だ。日本の大玉スイカの2個分はあるだろう。それが普通たった7ドルだ。スポーツで失った水分を取るためよくスイカを食べる。スイカ(一般に果物)の成分を調べると、スポーツドリンクの成分に近いことがわかる。ビタミン類だけでなく、ミネラルも豊富だ。アメリカのスポーツドリンクはさほど安くないので、時たまスイカで水分補給。それと牛乳だ。これも、まさに「体液」で、スポーツドリンクの成分と似ており、かつ、アメリカの乳製品類は安い。
普通7ドルのスイカが8月になってさらに安くなり、中国系スーパーで5ドルで売っていた。さらにその中に格安コーナーがあり、大きな段ボール箱の中に3ドル・スイカが積まれていた。そしてその中に一つだけ、2ドルとマジックで手書きしてあるスイカがあり、躊躇なくそれを買った。
腐ってはいなかった。しかし、食べたときちょっと苦みがあった。変だとは思ったが、気にせずたらふく食べた。そして夜中に気持ち悪くなって吐いた。スイカの底あたりに破れがあり、ちょっと変色していた。ここから農薬か保存剤かが浸透したのか。
だから安いスイカを買ってはいけない、とここで簡単に結論付けてはいけない。前に、通常価格のスイカを買た時、ひどく甘かった。人工的に甘味を加えたような甘さで、違和感があった。その後、どう違うのか知りたい気持ちもあって値引きスイカを何度か買った。あまり甘くなく、自然の味だった。そうかこれで安いのか、返って安物の方がいいぞ、と思った。
しかし、極端に安いスイカを食べると、やはりやばいようだ、というのが、今回の「吐血」からの教訓だ」。高いスイカは買わないが、極端に安いスイカも買わず、適度に安いスイカを買う。移民社会サバイバル術もなかなか複雑で奥が深い。