7月4日、独立記念日。きょうもアパートに居ると暑いので、とにかく外に出る。あてもなくバスに乗る。めっぽう冷房が効いている。独立記念日だ、街でいろんなことをやっているかも知れない、と思ったのだが、何もやっていない。店は閉まり、人は少なく、歩道に出されたゴミ袋が目立つ。
ストリートバスケ揺籃の地・ラッカーパーク
マンハッタンに足を伸ばすことにした。この間の続きだ。ストリートバスケ名所探索といこう。いっきょにハーレムの奥、ストリートバスケの聖地中の聖地、ラッカーパークに行く。私の最寄り地下鉄D線で簡単に行ける。マンハッタン中心部を過ぎ155番ストリート駅で降りると、ほぼすぐ前がラッカー公園だった。ハーレムの市公園局プレーグランド担当で、若者向けバスケ・トーナメントを創始するなどストリートバスケ文化形成に貢献したホルコウム・ラッカー(1926 – 1965)にちなんだ公園名。そのバスケコートは、ストリートバスケ揺籃の地とされる。ここから多くのNBAプレーヤーも輩出された。
(ストリートバスケは公園など屋外で行われる主に3対3のバスケットボール競技。動きの華麗さを競う側面が強く、公園ごとにルールが違うなど自由な形式で、米国の貧しい若者たちの間に独自文化を形成した。ダンクシュート(スラムダンク)やクロスオーバー(左右に大きく振るドリブル)などの新テクニックを発展させ、公式のバスケットボール競技にも大きな影響を与えたとされる。)
ラッカーパークはごく普通の街の公園だ。近所の子どもや若者が遊びに来る。野球場があって子どもの遊び場があって、その一角にバスケコートがある。スコアボードや観客席がしつらえてあるが、1面だけのごく普通のコート。ネットがちゃんとついているだけ他の公園コートより立派だが。私が行ったときには片方のゴールで子どもが遊び、他の片方で近所かららしい青少年たちが3対3をやっていた。そんなにうまくない。
独立記念日感想
しかし、独立記念日の主要行事がほぼ花火大会だけ、というのは、人様のこととは言え、どうなんでしょう。あ、ニューヨークにはホットドッグの早食い大会という有名なイベントもありましたね(ブルックリンの行楽地コニーアイランドで行われるNathan’s Hot Dog Eating Contest)。パレードさえ、スタテン島の一部以外なかったようで。ま、ええか。多くの人は土日をはさんで休日をとり、どっかに行楽に行ってしまった。そもそも、一般庶民は「独立記念日」などと言うより、この祭日を「ジュライ・フォース」(July 4th)としか言っていない気がする。「7月4日」だけでは、何の日かわからないでしょう。
歴史をひも解くと、そもそも、大陸会議(後の連邦議会)が独立を決議したのは1776年7月2日だったらしい。7月4日は、その決議の正式説明文書「独立宣言」の最終版が採択された日だった。独立決議に主導的役割を果たした建国の父ジョン・アダムス(第2代大統領)は、最後まで7月2日が独立記念日だとの立場をとっていた(英語版Wikipediaなどによる)。また、英国派の影響が強かったニューヨーク州はこのとき、2日の決議に参加せず、7月9日にようやく独立承認の決定を下している。さらに、「独立宣言」が正式に署名されたのは8月2日だ。
以上、独立記念日の一日は過ぎた。