カウナスは、杉原千畝さんの「命のビザ」が発給された地。やはり、ここに行かないわけにはいかない。1939年8月~9月、ナチスに追われた数千人のユダヤ人に、日本政府の意向を無視して日本通過ビザを発給し命を救った。その大使館跡がスギハラ記念館になっている。
カウナスでバスを降りると、ターミナル内に観光案内所があって、外に市内地図や観光案内パンフレットなどを「勝手に持ってけ」方式で並べていた。とても合理的なやり方だ。
驚いたのはその中に「スギハラ・ルート」という観光ルート案内冊子があったこと。さすがだ、杉原は街の誇りになっているらしい。宿に入って読んでさらに驚いた。この案内冊子は、単に杉原記念館の解説なのでなく、町全体の解説書だった。中世からの旧市街、レストラン、ショッピングの案内まですべてが「スギハラ・ルート」として紹介されている。この町の杉原に寄せる尊敬の念に並々ならぬものを感じた。