アルジェリア上空観光

チュニス(チュニジア)からカサブランカ(モロッコ)に飛んだ。中間のアルジェリアは飛ばした。入国にビザが必要で、しかも取得が難しく、旅先では取得不能とのこと。母国で取得しなければならないということだ。

しかし、この日、天気は快晴で空気は澄み渡り、空からアルジェリア観光ができた。リムジンバスの中から観光する人も居る。空から観光するのも同じことだ。

チュニジア航空機は、なぜかアルジェリア海岸線に沿って進んでくれた。内陸の砂漠地帯と違って人が多く、開発が進んでいるところだ。なおのこと観光には絶好だ。おお、あそこには高速道路が走っている。あの湖は人工で、あそこがダムだな。川にほとんど水が流れていないぞ。でも海岸近くは比較的緑があるな。農地もある。街は、入り組んだ街路構造の伝統的集落もあるが、整然と碁盤の目状に並んだ新しい街もあるな。見ているだけで飽きない。グランドキャニオンの崖上からだってこんな絶景は見られない。

しかし、入国を厳しくするなどアルジェリアはばかなことをしている。観光は現代の主要産業だ。IT産業や重化学工業より大きな富をもたらす。アルジェリアはそれをみすみす捨ててしまっている。官僚はその辺の見識がないのか。旅はIT技術顔負けの3Dバーチャルリアルティ空間を提供する。しかも超インタラクティブでリアルタイムのエンターテインメント産業だ。21世紀最先端のサービス産業なのだ。

開かれたオープンな社会だけが観光産業を可能にする。国家安全保障のためいくら外国人の入国を厳しくしても、空の上から鉄条網の中までやすやすと全部見ることができる。政府機関や、鉄道、高速道路などのインフラ撮影を禁じても、空の上からすけすけにすべてを写真撮影できる。

私がアルジェリアに入っていれば、1泊900円程度の観光出費を確実に落とさせられたというのに。アルジェリアを飛ばして飛行機に乗ったので、隣国の航空会社を使うことになった(1万9000円でチュニジアからモロッコまで)。この収入喪失は大きい。

チュニス・カルタゴ空港発。
天気がよく、空気も澄んでいた。
飛行機は地中海の海岸線に沿って進んだ。
この特徴ある海岸線は、東部エル・マルサ近くの半島だろう。
首都アルジェの上も通った。入国してアルジェの観光に行ってもこんな絶景は見られない。
ニアミス? いや、航空路だと、これくらいの距離ですれ違うことはよくある。自機から地上を見てると速く飛んでいるとは感じないが、他の旅客機とすれちがうと、おそろしいスピードで後方に抜けて行く。
機内のモニター画面で、どの辺を飛んでいるか確認できる。
これはダム湖だな。中央の幅のある水辺境界がダムなのだろう
都市もないのに、道路が八方から集まっている。よく見ると中央の丘に立派なモスクが立っているようだ。
モロッコに近づくにつれ内陸の砂漠地帯に入ってきた。山脈も見えた。写真の写りは悪いが、山頂部が雪をかぶっている。モロッコ東部のアトラス山脈だろう。
これも写真写りが悪いが、地中海の対岸(スペイン)には、白銀のシエラ・ネバダ山脈が見える。3000メートル級の山脈。
モロッコのカサブランカ地域はチュニジア北部より暖かく、大西洋岸なので湿気も多い。農地がどこまでも広がる。