アルハンブラ宮殿チケット:当日朝オンラインで買えた(あまり知られていない奥の手・体験談)

  • 取るのが難しいアルハンブラ宮殿のチケット。予約満杯でもオンラインで当日にでも買える可能性あり。試す価値あり。
  • 午前を中心に、頻繁にアクセスしてチェック。特に、現地時間午前0時(日本時間午前8時、夏時間の場合は7時)直後にチェックすると空きが出ている可能性が大きい。
  • 2019年2月にこれで当日券取得に成功した。読者のさらなる検証をお願いする。チケット販売法はよく変わるらしいので注意。
シエラネバダ山脈を背景に華麗に立つアルハンブラ宮殿。
宮殿内のアラヤネス庭園。

1カ月以上先まで予約が埋まっている

取るのが難しいので有名なアルハンブラ宮殿のチケット(メインのナスル宮入場を含むGeneral Ticket)。公式予約サイトを見ると、1カ月以上先まで売り切れている。ポッとやってきた風来坊旅行者ではまず買うのは無理だ。そう思っていた。14ユーロ(1800円)と高いので、見れなくてちょうどよい、などと苦し紛れの屁理屈をたたいていた。

朝7時半に10時の切符が公式サイトで買えた

だが、グラナダ滞在最終日の朝7時半、たまたま予約サイトをチェックしたら、当日券が買える状態(オレンジ色)になっているではないか。高い、などという妄想はあっというまに吹き飛び、すぐ予約してしまった。ナスル宮の予約時間は10時。2時間半前に公式サイトで買えてしまった。

どうも朝は買いやすいようだ。1時間後の8時半に見たら、その日からの3日間、そして1日置いて日曜日の券も買えるようになっていた。2月20日という時期、水曜日という条件もあると思うが、不思議に思って、ウェブサイトをいろいろ調べてみた。市観光局が関わっていると思われるサイトで次のような説明を見つけた。

午前0時に新しいチケットが予約サイトに出る?

「時に返却チケット(returns)が出ることがある。こうしたチケットはその日の午前0時から予約サイトに出される。新しいチケットが出てないかその時間から調べることができる。」(lovegranadaの観光情報サイト

確かにこれは本当だった。さっそく2月21日午前0時前後で調べたが、その前までは2月中の予約可能日はゼロなのに、0時20分に見たら当日(21日)が予約可能日に変わっていた(オレンジ色)。しかも、朝6時過ぎになったら、ナスル宮入場の時間選択が増えていた。

アルハンブラ宮殿のチケットは取るのが難しいだけでなく、よくわからないところがいろいろあり、ネット上でも様々な議論が交わされている。例えばTripAdvisorのGranada Travelフォラムがにぎやかだ。この中に書き込まれる情報では、厳密には午前0時1分に出されるが1分もしないうちに売り切れるとか(Same-day tickets AlhambraのNo.3)、必ずしも午前0時だけでなく、随時新しいチケットが出されているという証言もある(例えばTickets to AlhambraのNo.21)。私が確認したのと同じだ。

当日券はなくなった?

また、重要な情報として、2017年11月から切符売り場での当日券販売はなくなり、すべてオンライン(と電話)販売になった、という信頼できそうな筋からの報告もある(Devour SevilleSpanish Saboreのサイト)。これまでは、オンライン購入ができなかった人が最後の望みをかけて、まだ暗い朝6時前から現地切符売り場に並んで当日券を買っていた(販売開始は8時)。それでも買えなかった、寒い中で2時間待ってやっと買えた、などの苦労話が日本語の各種サイトに載っている。これがもう古い情報になったのか。

ある意味そうだが(後述)、販売所での当日券販売自体は今でも行われているようである。公式サイトでも、Direct Saleとして「切符売り場で当日券(same day ticket)が買える」と案内している。

アルハンブラ宮殿の正門。当日券もここで買えないことはないが、オンラインで買った方がよい(後述)。
ナスル宮に入るための長蛇の列。

キャンセルチケットなどを随時予約サイトに上げているのではないか

確かにいろんな情報が錯綜している。おそらくこれには観光局側の英語での情報の出し方の不備もあるのだと思う。私なりに、各種情報を総合してみるとこういうことになる(私の仮説)。

チケット販売は以前から基本的にはオンライン販売だが、例えば、キャンセルされたチケットも出てくるし(6日前までのキャンセルには返金あり)、あるいはホテル、旅行社などにまわしたチケット分が売れなくて返却されるような場合もあるのだろう。かつては、こうした余剰チケットはその当日に当日券として切符販売所で売っていた。しかし、2017年11月からは、それもネット販売(前売り含む)することにした。午前0時1分、あるいは都合によって随時にオンライン予約サイトの方に出す。そういう風にしたのではないか。

かといって切符販売所での当日券販売を止めたわけではなかった。売れ残っていれば当日、販売所で売らない手はない。超人気のナスル宮が含まれるAlhambra Generalチケットはまず残らないが、他のチケット(例えば、次善策として有用なナスル宮なしGardens, Generalife and Alcazabaチケットなど)はよく残っている(少なくとも2019年2月段階では)。こういう余剰チケットは引き続き窓口で売るし、発券機でも売る。そして完売すれば、「きょうはsold outしました」という案内となる(これを現場でよく見、聞いた)。そういうことなのではないだろうか。

本当のところの真相は不明だが、少なくとも以上の推定から、次のような切符購入戦略が立てられる。

毎日、予約サイトをチェックしてチケットが出てないか調べる

1カ月先まで予約がいっぱい、だめだ、とあきらめないで、毎日、あるいは、差し迫った場合は毎時間くらいにチェックしてみる。特にスペイン時間の午前0時(日本時間午前8時、夏時間の場合は7時)過ぎにチェックする。そうすると何か出てくるかも知れない。

予約サイトの仕組みはちょっと改善の余地があると思うが、最初に、いつどのチケットの空きがあるか一覧が出ない。まず「これを買います」とクリックしてGo to Step 2まで行かないと予約状況がわからない。だから最初進むのに躊躇するが、購入(クレジットカード決済)まで進まない限り問題ない。頻繁にチェックしてみれば何か出てくるかも知れない。

朝早くから切符販売所に並ぶのは必ずしも有効ではない

また、当日券を買うため朝早くから切符販売所に並ぶという作戦は、もう通用しなくなったと思われる。その日、切符販売所で買える当日券はずっと前から予約サイトにも載っているはずだから。当日早朝並んでいるうちに、あるいは当日まで先伸ばしにしているうちに、どんどんオンライン予約で取られてしまう。当日券を含めてあくまでネットに集中し、オンライン購入を目指した方がよい。

以上、推測も入って恐縮だが、グラナダ訪問者には、明暗を分ける非常に重要な情報だと思うので掲載する。他の方の経験、調査も教えて下されば幸いである。