久しぶりに「街」に出てみた

 

「あこがれの」サンフランシスコ。ついに再訪することができた。同都市圏に住んでいるというのに1年3カ月ぶり。

きょうは、久しぶりに「街」に出てみることにした。週1テニスをする友人宅からバークレー、オークランドが近い。そこからBART(高速地下鉄)で湾をくぐればサンフランシスコに行ける。サンフランシスコ都市圏に住んでいるというのに、サンフランシスコは一昨年12月以来、1年3カ月ぶりだ。地下鉄に乗れなかったわけではないが、避けていた。コロナワクチン2回接種して2週間以上たった。もう大丈夫だろう。

今、街で暴行されれば確実にTVニュースに載るよ、アジア系で高齢者だから、という友人の暖かい?励ましを受けて、午後1時半頃テニス場を後にした。

お花畑で菜の花が満開だった。これはテニス場に向かう途中のイーストベイ山中。きょうはサンフランシスコまで行くんだと思うと心が弾む。自転車をこぎながら思わず、「花のサンフランシスコ」のメロディーを口ずさんでしまった。サンフランシスコはあの山の向こうだ。
バークレーのダウンタウン。人出は少ないが、左手の歩道上に茶店のイスが出ていて、客がくつろいでいる。バークレーに入って私はマスクをつけた。自転車に乗るなら別にマスクをしなくてもいいと思うのだが、バークレーはリベラルな街だ。アメリカでは政治的にリベラルであればあるほど厳格にマスクをし、保守派はあまりしない。ここではつけていないとうるさく言われそうだ。なるほど見るとバークレーは、歩く人も自転車の人も、ほぼ例外なくマスクをつけている。
カリフォルニア大学の学生街テレグラフ通り。やはり人出は少ない。道路の先がキャンパス。
オークランドのダウンタウン(中心街)。まだ(木曜)午後3時だが、サラリーマンの姿はほとんど見ない。
オークランドの市のポスターがバス停に貼ってあった。「自分を覆って、そして繋がって」。なかなかしゃれた標語だ。若者に教育の機会を拡大するキャンペーンの一環という。
オークランドにも、この辺ではサンフランシスコに次いで大きなチャイナタウンがある。ここでもアジア系に対する暴力が監視カメラ映像付きで報道されている。
オークランド中華街の太平洋ルネサンス・センター。新しく再開発でつくられた。ショッピングセンター、アジア系文化センター、市立図書館アジア系分館などが入る。背後にそびえるのは低家賃の団地アパート。トイレを探したら、警備員がカギを開けてショッピングセンター施設内のトイレに案内してくれた。もちろん用が済んでからも外に出るまで後ろから護衛?してくれる。
BARTに乗り、湾をくぐったサンフランシスコへ。1年3カ月ぶりのサンフランシスコに感動するかと思ったが、そうでもなかった。「俺の街だ」という平静な感覚。下りた駅が息子夫婦らが住んでいた地域のグレンパーク駅だったせいもある。「どこのどいつが俺を俺の街に住めなくしたんだ」とうめきながら、ツインピーク(写真後方)めざして自転車をこいだ。(サンフランシスコはIT企業の高給取りが多く住むようになり、家賃が米国最高レベルになってしまった)。
この辺にはグレン・キャニオンという都市部にしてはやや大きな渓谷がある。私が住んだサンフランシスコは、リッチモンド地区など主に市の北側だった。この辺(市の南部)はあまりなじみがなく、グレン渓谷の特徴的な風景も新しい発見だった。
ツインピーク(標高280メートル)は市中心部から見えて普通はその正面から登るが、今回は後ろ側から登っている。自転車だとなかなかきつい坂だ。
ツインピークスからのサンフランシスコの絶景。中心部を斜めに貫通するマーケット通りがよく見え、その両側に高層ビルが建つ。ひときわ高いビルが2018年に完成したセールスフォース・タワー(326メートル)。その左の黒っぽいビルが元バンクオブアメリカ本社ビル、さらにその左、三角形のトランスアメリカ・ピラミッドが、かつてサンフランシスコで最も高いビルで、その象徴だった。
湾をはさんで対岸やや右手にオークランドのビル街、その背景のイーストベイの山並みも見える。やや盛り上がっているのが我がコンコード市近くのディアブロ山(1173メートル)だ。
ツインピークスはサンフランシスコの観光ハイライトで、日本人含め多くの観光客が訪れる。通常ならここに多くの観光バスが停まり、観光客ラッシュになっているのだが、昨年3月以来、コロナ禍のため観光バスは入れなくなった(そもそも観光客が居なくなった)。その代わり、息抜きを求めて徒歩や自転車で登ってくる地元住民が増えたという。
このブログの表紙用の写真のため、緑になった山並みを背景にサンフランシスコの写真を撮りたいと思い、ここに来た(現在、夏枯れした背景の写真しか出せていない)。残念ながら水蒸気の多いサンフランシスコの気候。この日も背景の緑はあまりくっきりとは見えなかった。が、この辺が最良レベルの眺望だろう。
遮二無二ツインピークスを目指した。地元民としては、観光名所ツインピークスからの写真は使いたくなく、現表紙写真は観光客は知らないであろうコロナハイツからのものだ。しかし、コロナ禍でサンフランシスコが遠くなったからには、何としてもこの「王者」ツインピークを目指したい。サンフランシスコには40以上の丘(ピーク)があるが、その中で文句ない絶景の王者がこのツインピークスだ。
ツインピークスを市中心街の方向に下りると、ゲイの人たちのまちカストロ街がある。路上の屋外レストランがそれなりににぎわっていた。
サンフランシスコのメインストリートとなるマーケット通り。それなりの人出はあるが、普段はこんなものではない。
同上。
観光客の集中場所となるユニオンスクエア(右手の公園)付近。やはり閑散としている。パウェル通りを走る名物のケーブルカー(レールが見える)も休止している。
歌にもなった「サンフランシスコのチャイナタウン」の入り口。閑散としていて衝撃を受ける。まだ午後5時なのだが。
サンフランシスコ・チャイナタウン中心部。ほとんどの店が閉まっている。人通りも少ない。アジア系に対する暴力が増えているから、ではないだろう。
夜の街。飾りつけは実に華やかなのに人が居ない、店が開いてない。「アジア系の暴力に怯えるチャイナタウン」を探索しようと来てみたのだが、ゴーストタウンに散策しているようで、私は何をやっているか、と意気消沈した。
チャイナタウン近くのサンフランシスコ金融街。平日午後6時半で、帰りの通勤客でごったがえ…まったくしてない。
サンフランシスコのビジネス街の主要駅となるモンゴメリーBART駅。木曜午後7時でこのありさまだ。ホームで、なかなか来ない電車を30分近く待ち、自転車を乗せてコンコードに戻ってきた。