5月19日(水)、サンフランシスコ半島中部サンカ―ロスから、シリコンバレーのBART駅・北サンノゼ駅までのサイクリングを目指した。しかし、その前に、サンフランシスコ・ミッションベイ再開発地域の見学に思いのほか時間を取ったため、スタンフォード大学周辺までに終わった。
バイク地図が欲しかった
なぜサンカ―ロスに行ったかというと、そこにサンマテオ郡の交通局(SamTrans)事務所があるからだ。そこで同郡バイクマップ(自転車ルート地図)をもらおうと思った。ネット上のバイク地図もいいが、私は紙の地図がもっと好きだ。「大画面」の地図を床に広げてじっと眺めていると、旅に出たくなってくる。おお、あの道はこっちに続いているのか、へえ、こんなところに自転車専用道があるぞ、俯瞰するとこっちのルートの方が近そうだな、など想念にふける。
残念ながらコロナ禍で、交通局は受け付けの小さなブースが開いているだけだった。バイク地図は置いてない。紙のバイク地図は今では貴重品となり、入手するのが難しい。市や郡の交通局に出向いて、自転車交通課まで入っていってやっともらえるなど。サンマテオ郡の紙版バイク地図もあることはネットで確認できているのだが、残念ながら、受付ブースで簡単に手に入るような代物ではなかった。
市役所に行ったらどうか、と言われたので行ってみたらコロナで閉まっていた。近くの市立図書館の窓口が開いていたので聞いたが、そんなものは置いてないと言う。やむを得ない。バイク地図なしでバレー方面に南下していこう。
サンフランシスコを列車で発つ






写真で見る通り、広大な敷地の家が続く。緑深い庭に隠れ道路からは住宅そのものは見えない。豪勢な門の中に「豪邸」が見えるような家は豪邸と言わないらしい。アサートンは、一般人が入れない街「ゲーテッド・コミュニティ」ではないが、豪邸一つ一つがゲーテッド・コミュニティーになっているようなものだろう。元グーグルCEOのエリック・シュミットを始めシリコンバレー富豪の多くがこの地域に住んでいる。詳細はわからないが、2017年10月7日のBusiness Insider紙がいろいろ調べている。
ゾーニング(用途地域制)で、敷地1エーカー(4047平米、1224坪)以下の住宅はつくれないようにしている。市域の89%は住宅用途地で、商業地ゾーニングはない。つまり、お店、レストラン、茶店などはないということだ。大邸宅の清掃や管理に来る労働者たちは巡回してくるサンドイッチなどの移動販売車に頼らなければならない。昨年12月には、カルトレインのアサートン駅が廃止されるという驚くべきニュースがあった。日本ではどこでも鉄道駅を誘致しようと血眼になるのだが、米国の富裕地では、車もないような貧困層がやってくると鉄道駅を忌避する傾向がある。既存駅まで廃止してしまうというのはさすがアサートンだ。


シリコンバレーの街はどこも似ている。基本的に一戸建て住宅地域で、中心部に、写真のような瀟洒なお店やレストランが並ぶ。高層ビルはほとんどない。現在は、コロナのため屋外で食事するような体制を整えている。
個人的には、1980年代、インターネットの黎明期、というより一般にはまだそれが始まっていなかった時代、いち早く環境運動ネットEconet、平和運動ネットPeacenetなどを立ちあげたグローバル通信研究所(IGC)のホストコンピュータがこの街で稼働していたことを思い出す。取材のためその事務所に通った。







このあたりがサンドヒル・ロードのベンチャー街西端に当たる。すぐ背後には州際高速280号線が走る。サンドヒル・ロードはそれを越えて続くが、事務所はない。






この近くに、シリコンバレーの歴史で重要なゼロックスPARC (現在は独立してPARC, Palo Alto Research Center)があるのだが、見そこなった。
