毎日まわりを歩き(そう、1日5時間目標)、同じところでメシを食っても、じわじわとこの街の影響力が沁み込んでくる。そう、ここは紀元前から街があり、ある意味、世界の中心的な役割を果たしてきた(地理上の発見以前、先進地域は大西洋岸でなく地中海、特にその東方だった)。
古代ギリシャ人が植民し、ローマ帝国が治め、東ローマ帝国(ビザンチン帝国)の首都となり、オスマン・トルコ帝国の首都となり、現在もトルコ最大の都市として1500万人の人々を飲み込んで発展している。
重層的な文化が重なり合い、それが共栄とはいかないまでも、歴史の記憶として街の隅々に残っている。オスマン帝国も、異教徒には比較的寛容な態度をとったようだ。世界遺産の街として登録されるにふさわしい。時の支配的文化によって、異なる他の文化を破壊しない。あらゆる人類の文化を普遍的な遺産として残し、継承する。そんな遺産が街の至る所に存在する。散歩してメシを食うだけの私も徐々に感化されていかないわけにはいかない。
(私の宿近く、旧市街近辺の各種世界遺産も参照。そちらはより庶民的な地域だ。)
この歴史地区(スルタンメフメト地区)をモダンなトラムカーが走る。イスタンブールも世界の他都市と同様、一旦は市電を全廃したが、1992年から復活。現在は3路線42キロに延びている。このT1路線は、この歴史地区など旧市街中心部に行くのに便利。