東欧諸国にはほとんど高速鉄道がないのに、トルコにはある。これは特筆されるべきだろう。2009年に一部区間で営業がはじまり(中国の支援が大きかったようだ)、現在ではアンカラーイスタンブール線、アンカラーコンヤ線など総延長1380キロ。将来的には4000キロまで伸ばす計画という。アンカラーイスタンブール間620キロは現在、最高時速250キロで4時間半程度で結ばれている。
高速鉄道は、線路、信号なども含めてシステム全体としてつくられるもので、単に高速走行可能な車両をもってくれば高速鉄道になるというものではない。実際、ギリシャで、安全装置も不備なところで無理にドイツ製高速列車を走らせ、今年2月28日、57人が死亡する大事故が起こっている。
ギリシャは、昨年5月にアテネーテッサロニキ間で高速鉄道の運行を開始。最高速度250キロで同区間を3時間55分で走行するスケジュールだ。今年2月の事故の際、列車の機関車は独シーメンス社製で、時速140キロ~160キロで走行していたとみられる(アテネーテッサロニキ間4時間13分スケジュール)。事故区間は時速200キロまでの走行が認められていた。
トルコでも2018年12月13日に高速鉄道関連の事故が起こっている。アンカラ郊外のマルシャンディズ駅で線路点検作業中の電気機関車と正面衝突し、9人が死亡、48人が負傷した。
なお、東欧では、中国の支援でセルビアのベオグラードからハンガリーのブダペストまでの高速鉄道が計画されており、その一部ベオグラードと第二の都市ノヴィサド間75キロが2022年2月に開通している。ポーランドにもワルシャワとクラクフを結ぶ高速鉄道がある。