

オチョソンデュパ州ツムクェ選挙区ツムクェ村
ナミビア(人口250万)には14の州があり、その一つオチョソンデュパ州は行政区でもある7つの選挙区(Constituency)に分かれ、その一つがツムクェ選挙区だ。同選挙区人口は推定9000人。うち2400人がサン族とされる。
ナミビアの自治体には市(municipality)、町(town)、村(village)の3種類があるが、ツムクェ選挙区にそれらはない。選挙区行政の中心となるツムクェ村は正式には単なる集落(settlement)で、公選首長などはおらず州政府直轄の位置づけだ。しかし、長年の先住民権利擁護運動の成果として、伝統的統治を含む一定の自治が保証されている。その自治を行なう仕組みとして、地域住民主導の自然保護・管理を行う保全区(conservancy)や地域森林区(Community Forest)の機関があり、これらについては後ほど説明する。
ツムクェ選挙区には二つの保全区があり、ツムクェ村は、そのうちの一つ、ニャエニャエ保全区に囲まれた形で存在する。ただし、ツムクェ自体は保全区に含まれず、域外扱いとなる。ニャエニャエの名称は、この地方の南部域にある雨季に多数の湖が現れる「ニャエニャエ窪地」から来ている。ツムクェ集落は、保全区外でありながら、その保全区事務所を含め政府、公共機関が立地し、この地域の中心的集落だ。保全区内では家族的つながりを基本にした人口20~50人のサン族の村が38カ所あり、伝統的自治で運営されている。統治の形態からサン族以外は居住できないが、ツムクェ村は保全区外のなので、バンツー系など他の人々も多い。




宿が3軒ある
旅行者にとってまず大切な宿は、次の3軒。
- ツムクェ・カントリー・ロッジ ー詳しくはこちら参照。ツムクェきっての高級宿で、順当な宿泊が期待できるだろう。スタッフの人間性がよく、気持ちよい滞在ができる。ただし、宿泊料は値が張る。安めのスタンダードツインで1泊1万円。バックパッカーはキャンプ場の野営ということになるが、これもテントなど一式持っていける人に限られる。ただし、キャンプでもシャワーなどもあり、電気が来ているのでパソコン、スマホなどはできる。近くに象の水飲み場があり、間近で観察できる。村の中心部からは約2キロでやや離れている。
- ツムクェ公営ゲストハウス ー珍しく自治体が経営する公営ゲストハウス。上記ロッジに行く途中にある。1泊300Nドル(2500円)で一番安い。長期滞在なら交渉次第で200Nドル程度になるだろう。自室にシャワー・トイレあり。共同キッチンもあってプロパンガス、電子レンジ、冷蔵庫が使える。ただし、本ブログで念入りに書いたように水回りと蚊の問題がある。そのせいか宿泊客が少なく、キッチンなどもほぼ専用に使える。長期のリモートワークなどによいが、Wifiがないので、自分で通信サービスに入っておくこと。
- Y2Kゲストハウス ―民営のゲストハウス。不思議な名前だ。村中心部近くにあり、設備もしっかりしているようだ。1泊400Nドルと少し高いが、満室になっていることが多い。キッチンはないが、部屋に電子レンジと冷蔵庫がある。Wifiもあるという(泊ってないで実際のところは確認していない)。すぐ前にあるお店(店3)との共同経営のようだ。


十字路の東方向: お店(らしい店)が4軒ある
次に重要なのが、食料・物資調達のための商店。お店らしいお店としては次の4店舗がある。いずれもクレジットカードが使える。それ以外に、ほとんど物が置いてないままごとのようなお店も何軒かあるが、あまりお世話になることはないだろう。





運動場が4カ所ある
次に大切なのが(人にもよるだろうが)運動場。サッカーのできるフィールドが4カ所ある。残念ながらバスケ場や野球場はない。テニス場もゴルフ場も、走れるトラックも、鉄棒もジャングルジムもない。卓球その他ができる体育館も、少なくとも一般人が使えるものはない。
サッカーができる運動場といってもただの砂地だ。一応、ゴールの場所が、立っている棒でわかる。牛の糞も落ちている。こんな砂地ではサッカーだってできないだろうと思うが、現地の若者たちはここで元気にサッカーをしている。逆に言うと、サッカーくらいしかできない運動場だ。



南方向の道路(公共機関が多い)・左手
村中心部十字路から南方方向には、(ロッジや公営ゲストハウスもあるが)公共機関が多く立地している。



同上。





南方向の道路・右手


十字路の西方向:ツムクェの表玄関
十字路の西方向にはグルーとフォンテインに至る300キロの道が続く。ツムクェに入ってくるときの表玄関になる。遠くからラジオ電波塔が見え、村に入ると左手に立派な小中学校がある。










以上の他、村には、テントの中の食堂、隠れた多数の小さい飲み屋、まじめなところでは教会(少なくとも2つ)などもあるが、省略する。