せわしなかった
今回の旅、いろいろ反省点があるが、最大のポイントは短い期間に多くの地域を回りすぎた、ということ。私の旅は、できるだけ1カ所にとどまってそこの風土につかり、いろいろ考え勉強し書きものをする旅だ。動きすぎるとこれができない。そして旅で「動く」ということは、次の街に行くのにどうやって行くか、宿はどこにするか、宿や駅には何で行くか、市バスのルートは、SIMカードは、安い食べ物屋は、スーパーは、ATMは、洗濯は、などなど基本的なサバイバル術上の課題が次々押し寄せるということだ。最初のうちはいいが、これが続くと厳しい。あまり美しい課題とも言えず、せわしない。私の人生のペース、旅のペースではなくなる。
その結果、例えばブログの書き込みが大幅に遅れた。移動の合間に乱雑に書き綴った「下書き」はたくさん残ったが、アップできた記事は多くない。特に最後の頃は、貧乏旅行で苦労している的な書き込みばかり。サマルカンドやヒバの記事さえ出てない。結局、日本に帰ってからじっくりと仕上げることになるだろう。この旅が終わってから、旅行中の日付で記事が増えていくのを、笑覧される方々は見ることだろう。
なぜ3カ月になったか
せわしなくなった理由もいろいろあるが(当初目的地バクー行きの失敗で無計画旅程になった、暑いのでとにかく涼しい高緯度、高標高地へと転戦した、etc.)、期間を3カ月に限定したことが大きい。
旅の期間をクレジットカード付帯旅行保険の期間3カ月にしたのだ。海外旅行保険代金もばかにならない。特に70代高齢者だと保険料が高い。3カ月を越える旅の場合、旅の途中で入れる外国の保険に加入してきたが、やはり高い。それで、今回旅を3カ月に限定してみた。
感想は、やはり私の旅は半年、時に1年近くでないと…となったわけだが、これは贅沢な望みだろう。先立つものは何。今後、3カ月の枠内で旅するコツを積み上げいかねばならない。
現地の若者とのバスケ
短期間の中で、カミさんとの旅行を組み入れられたのは合格だったが、現地でのバスケ体験というもう一つの私の旅の定番ができなかったのは重大な失敗だ。旅行中の体力を維持するたけでなく、現地の若者との交流という意味からも、これが私に非常に重要だった。おりしも9月になり、北部中央アジアやコーカサスはめっきり涼しくなってきた。バスケするにはちょうどよい季節だが。残念ながら今後の課題とするほかない。

旅の技術的課題:スマホ
ついでに、旅の技術的な課題を言うと、スマホ利用改善の必要を強く感じた。書き物にはノートパソコンが必須だが、動き回るにはスマホが必須だ。私はこれを軽視してきたと今回反省した。バッテリー切れに追われ、各国でSIMカードを確保することに奔走し(あるいはwifiですませることに腐心し)…苦労が大きい。旅先で会った日本人のH氏が「旅では、スマホが命ですよ」と言っていたのに大いに刺激された。まったくもってその通りだ。
そもそも私は、スマホを自分で買ってこなかった。息子が捨てようとした中古を「もったいない」とせしめて使ってきた。2つ持参したが、どちらもバッテリーが劣化。2つで普通のスマホの3分の1だろう。ノマドにとってこれは致命的だ。今後改心し、必要なものにはきちんと投資しよう(やっぱり安い中古にはなるだろうが)。古いスマホはeSIMに対応していない。各国でいちいちSIMカード確保と態勢構築を図るのは面倒だ。eSIM対応の新しめの機種、マルチ・カントリー方式で行きたい。
2年半前に西からトビリシまで来て、今回中央アジアからトビリシまで来て、ずっと前の中国西域も含め、一応シルクロードを全部つなげた(太平洋岸から大西洋岸までも)。で、明日(9月26日)、トビリシを発ち日本に帰る。クウェート、ドバイ、ニューデリー、バンコク、ホーチミンシティ経由、計90時間、7万8000円の安便。
