炎天下、近所散歩の方法

梅雨が明けたらしく猛暑が続いている。

今年の夏は、パミール高原あたりに退避して涼しく過ごそう、と思っていたのだが、野暮用で名古屋に貼り付かざるを得なくなった。

健康のため、運動を欠かしてはいけませんぞ。私は肩腱板断裂手術のリハビリや原因不明のひざ痛に襲われて、バスケ、サッカーのたぐいができないでいる。せめて散歩くらいはしていなくてはいけない。

むろん早朝や夕方~晩に行うのが望ましい。しかし朝が苦手の場合、夜までもんもんと室内冷房の中で過ごすのもよくない。炎天下の外に出よう。

まず通常のTシャツと短パンで玄関先踊り場に出る。むわっとくる熱暑がたまらない。遠くの景色を眺めながら、足腰の慣らし運動をしているうち、体も酷暑になる。そこで、持ち出してきた別の濡れTシャツに着替える。これが秘訣の第1ポイントだ。着ているTシャツは汗をかくと見にくくまだら模様になるが、水道で全体をまんべんなく濡らすと、外見では普通の乾いたTシャツに見えなくもない。冷房の効いた室内でこれを着ると衝撃が大きいから、外で少し準備体操をしてから着る。猛暑の中で冷えたTシャツに着替えるとむしろ気持ちよい。水冷式冷房というやつだ。

外で歩いている内に児童公園などでTシャツを脱いで水道で浸すやり方もあるが、公園で上半身裸になっては周囲の人に変質者と間違われる(ばれる)。完全に外ではない玄関先踊り場で着替えておく方がよい。

そして外に出ると、灼熱の道路も地面も少しも怖くない。歩いていると、それでも暑くなってくるが、そしたら第二弾、近隣公園の水道で頭を濡らす。上から水をぶっかけてもいい。そうするとだいたい完全防備になって30分程度は熱暑地獄を快適に歩ける。アスファルトの上に、かわいそうにミミズが干からびて横たわっているが、30分ならそうなる心配はないだろう。

(注意:だれも居ない灼熱の児童公園の噴水水道は、熱湯に近くなっている。少し出して「湯加減」を見てから浴びること。)

私の住む名古屋市天白区というのは結構郊外で、畑も少しはある。コースさえ考えれば、少なくとも片側は農地、果樹園、公園、墓地などオープンスペースという自然コースを行くことができる。基本的に郊外住宅街だが、名古屋は東京・大阪と違い住宅もゆったりし、庭や生け垣に見事なボンサイや草花を植えている。そういうのを鑑賞しながら歩けるのは何と贅沢なのだろう、と思う。

(かといって高級住宅街ではないですよ。今でも月2~3万のワンルームマンションがあるし、私の眺めのいい団地3LDKマンションも1300万円で買えた。決して多摩丘陵の山中とか、見渡す限りの田んぼのど真ん中という場所ではない。2路線が交わる地下鉄駅まで徒歩15分だ。東京近辺に住む友人たちも、そろそろ名古屋に引っ越してきてはどうかね。もう会社にも行っていないだろう。名古屋郊外だったら空き物件も多い。「こんなにマンションつくって、地主さんたちどうするんだろうね」と団地管理業務をやっている不動産屋さんが言っていた。)

灼熱の炎天下で、建設現場の作業をしているのはだいたい外国人労働者だ。こっちも汗を拭きながらだが、「暑くて大変だね」と声をかけてあげよう。笑顔を返してくれるよ。

そして、30分歩いて家に帰ってくると、濡れたTシャツも頭もすっかり乾いている。これでプロジェクト完了。では、家で一仕事して、また晩に、より本格的な散歩に出よう。

いや、この水冷式、一律には勧めませんよ。面の皮ばかりでなく、体の皮も厚くて慣れた人でないと風邪を引くかも知れない。