川鳥

夜、堤防を走ると、川の真ん中あたりに水鳥たちが寝ている。

暗くて何の鳥かわからない。十数羽がかたまって、さらさらと流れる水の中に立ち、あるいはしゃがんでじっとしている。

小河川で、真ん中あたりが浅瀬になっているようだ。暗闇の中でも、街明かりに浮き、彼らの黒影だけは見える。

零下で風も強く、寒い。この中を走る私も肌が凍りつくが、好きでやっていることだ。だが、この水鳥たちはどうなのか。冷たい水の中でもっと寒いのではないか。

確かに、安全なところだ。小動物も川の中まで入ってきて襲うことはなかろう。河原や野原などで寝ていたら、身勝手な人間たちもいたずらで捕まえたりするかも知れない。

すぐれた選択だ。安全を優先に、冷たい川に立ち、まどろむ。動物たちも、この地球の一角で、厳しい生を生きているものよ。

川にマンションの明かり、鳥の影、空にオリオン座。 チョー字余り。