コンコード初日

内陸平地に広がるコンコードの街。周囲は乾燥した草原山地だが、街の中は、緑の多い住宅街。ニューホール・コミュニティー公園から。
コンコードのダウンタウン(中心街)。やや離れたBART駅の周辺はオフィス・ビル街になっているが、中心街は親しみのある昔ながらの商店街。コンコードは農業地帯としてはじまり、1905年に町が設立された。
コンコード市の南には、ディアブロ山(標高1173メートル)がそびえる。「そびえる」というほどでもないが、車で行ける頂上からは、サンフランシスコ湾からシエラネバダ山脈までかなり広範囲が見渡せる。

近くの角のスーパーへ

「近くの角のスーパー」に買い出しに行こうとしたら、結構遠い。住宅街のだだっぴろい道路を歩き、片側3車線の交通激しい交差点を2方向横断すると、モールの一角にセイフウェイの巨大な店舗があった。リヤカーのように大きいカートを押して店内を進むと、値段が高い。大きな肉の塊が10ドル、20ドル普通にする。ジュースも2クォート4ドルとか5ドル。果物でさえ、オレンジやリンゴの大袋が6ドルとか7ドル。巨大な袋2つ使えば半額(Buy one, get one free)の表示が多い。そんなにいっぱい食えない。円に換算し日本のスーパーと比較して青くなった。ニューヨークやサンフランシスコの中華街スーパーよりも高い。

夕食のため、安物ばかりを買ったつもりだが、最初だからということもあり35ドル使ってしまった。ドルだと大した額だと感じないところが怖い。円にすると4000円だ。これから毎日の買い物が思いやられる。中国系やラティノ系の店を探さなけりゃ。あるいはアマゾンの生鮮食料配達を考えるか。

アメリカの典型的な「街の商店街」。こんなモールのような大型店舗区画が幹線道路に沿っていくつか並んでいる。前が広い駐車場になるのは必然。

自動車+大量消費社会

近いからと歩いて来たのが失敗だった。それほどに近くなかったし、買ったものが持ちきれない。背負ってきたリュックが満杯になり、さらに手で抱えて、「近くの角のスーパー」から帰ってきた。

アメリカの典型的な自動車社会と大量消費社会だ。サンフランシスコやニューヨークの密集した(しかし比較的にはこじんまりしている)大都市の生活とは異なる。

自転車

息子からもらった自転車を初日に持って来たのは正解だった。ここでは車がないと暮らせない。「近くの角の店まで買い物に行くにも車で行く」という典型的アメリカ人の生活がやっとわかってきた。歩くには広すぎる。車がないとすると、自転車が必需品になる。どこに行くにも自転車を出して、という生活がこれから始まるだろう。コンコードに最近増えてきたラティノ系の人たちも自転車に乗りバックパックを背負って車の流れの横を移動している。

二日目、自転車に乗って街を流した。巨大なハードウェア・ストアで自転車荷台を21ドルで買い、取り付けた。これも必需品だ。買った物などをこれで運ぶ。ニューヨークでも同じような荷台を買ったが、ついに自転車に取り付けることがなかった。

ダイソー

100均ショップのダイソーがコンコード中心部に進出しているのはありがたかった(中心部と言っても隣のプレザントヒルとの境界あたりだが)。日用品の小間物が一通りそろえられた。100円でなく、1ドル50セントになっているが、それでも普通のアメリカの店よりずいぶん安い。

買ったらパッケージ外装をできるだけ外してリュックの中に密度高く詰め込む。これから買い出し時の必要ノウハウになるだろう。

コンコードにはあまりバイク・レーンがないが、主要道路を外せば車がほとんど走っていない。そして広いからバイク・レーンがなくとも自転車は走りやすい。

バスケかテニスか

公園をいくつも見てまわったが、あまりバスケコートがない。どこの公園にも必ずバスケコートがあったのはストリートバスケ発祥の地ニューヨークの特徴だったらしい。代わりにテニスコートがたくさんある。ニューヨークと違ってどのコートも無料だ。一番近い公園には壁打ちテニスコートもある。新居の大家さんと同居人さんはセミプロ級のテニスプレーヤーだ。バスケからテニスに改心しての生活がこれからはじまりそうだ。

コンコード・コミュニティ公園。これだけ広い公園なら、バスケコートの2つや3つあってもよいと思うが、ない。ニューヨークでは考えられない。広い芝生は野球場。その奥にテニスコートが7面あり、屋外プールまであってにぎわっているというのに。(40度近くなる昼間は、プール以外、公園の人出は少ない。)
テニスコートは計7面ある。壁打ちテニス場も。(昼はだれもやっていない。)

暑さ

今の時期だと暑さが問題だ。サンフランシスコと10度は違う。霧が出ず強烈な太陽が照らす。どちらかと言うとセントラルバレー(カリフォルニアの内陸平原)の酷暑地域に近い。すでにサンフランシスコに居た頃、マリン郡の晴天地域を一日走っただけで顔も首も手足もこんがり焼けになってしまった。暑苦しいが長袖シャツと長ズボンを履く以外ない。もちろんダイソーで日焼け止めクリームを買った。

日系のラウンド・ワンも入る大型モール「サンバレー・ショッピングモール」、この辺の著名高等教育機関ディアブロ・バレー・カレッジ、コンコード飛行場、中古店のグッドウィル(これも近くにあってうれしい)、いろんな公園、その他のショッピングモールなどをまわって家に帰ったらもう7時になっていた。しかし、まだ真昼間の太陽。顔を洗ったら額に塩粒が吹き出ていた。乾燥しているので、日本のように汗だらだらにはならないが、相当の汗が出ているらしい。途中で水分も随分補給した。

(後日談:この後、8月15日に、摂氏40度を記録した。)

大型ショッピングセンターの「サンバレー・モール」。コンコードの西端にあたり、すぐ隣はプレザント・ヒル市域。
地域のコミュニティーカレッジ、ディアブロバレー大学。プレザント・ヒル市域内。

(後日追補)

最初だからいろいろ誤解もあった。高いセイフウェイ(スーパー)以外に安価なアジア系、ヒスパニック系のスーパー、そして米系の1ドル・ショップもたくさんあることがわかった。家の近くにも「99セント・オンリー・ストア」があったのはうれしい誤算だった。さすが市場経済だ。あらゆる層に到達して利益追求ビジネスをやってくださる。

アメリカの100均ショップは、かなり巨大なスーパーになっている。金物、日用品以外に、野菜・果物など生鮮食料品も結構売っていることがうれしい。ローソンなど生鮮食料品も扱うコンビニが日本にもあるが、それを巨大化したものと考えればいい。その他、中古店品もグッドウィル以外にいろいろ発見した。どうやらここで生き延びられる展望が見えてきた。

当地の100円ショップ「99セント・オンリー・ストアー」。やはり大型のスーパーだ。