岡部一明『多民族社会の到来』御茶の水書房、1990年

目次

はじめに

第一章 多民族社会への流れ

 一、米国:内への多民族化
    急増する外国人移民 流入の誘因 バイリンガル教育 サラダ型の
    国家観 国家理念のマイナス 第三世界インターナショナリズム
    国家を超える共同体
 二、西ヨーロッパ:外への多民族化
    ヨーロッパ合州国をめざして 一五〇〇万の「外国人」 EC域外から
    の移住者への差別 拡大民族国家としてのEC 外国人の選挙権
    新しいヨーロッパ人
 三、アジア太平洋の民族移動
    移動の波の吸引点 送り出し地域 太平洋諸島 東アジアのフロン
    ティア

第二章 外国人労働者への視点

 一、抑圧の手段としての国境
    公認された差別 外国人差別としてのアパルトヘイト 国家の対立が
    人権を抑圧 外国人労働者 国境による抑圧
 二、移民から外国人労働者まで
    難民 植民的移民・労働力移民 「重厚長大」産業時代の移民労働者
    「海外生産」の活発化 第三世界に移せない産業
 三、現代の外国人労働者
    ソフト産業社会の外国人労働者 「頭脳流出」 サービス業労働者
    建設労働者 工場労働者 農業労働者 鉱山労働者
 四、変わらない移動の流れ

第三章 外国人労働者の支援運動

 一、たたかいとられる「移民の国」(米国)
    多民族社会 アメリカと「移民の国」 一〇〇〇の支援団体 運動か
    ら生まれるネットワーク 保守派にもくいこむ「全米フォーフム」 全
    米ネットワーク 雇用者罰則制度の撤回を求めて 外国人の保護区
    (サンクチュアリー)運動 「不法」外国人労働者への仕事提供 外国
    人労働者による開発援助基金 さらなる移民拡大(一九九〇年移民法)
    新しい段階の公民権運動
 二、ヨーロッパの外国人支援運動
    ブリュッセルのトルコ人街 外国人のための地域センター 第三世界
    の街・パリ 東西がつながったベルリン 外国人自身の運動 二世
    の文化運動
 三、「不法」外国人の合法化 ? 各国の事例
    運動の現場から 三〇〇万人の合法化(米国) フランス イタリア
    スペイン アルゼンチン ベネズェラ カナダ オーストラリア
    罰則だけまねた日本政府

第四章 奴隷制の温床・「外国人」

    奴隷とは外国人であった(古代ローマ) 異教徒の奴隷化 アメリカ南部
    の黒人奴隷制 「不法外国人」の時代 外国人の性的奴隷制 国境が
    つくる不法外国人 奴隷と国境 人間性の観念を知らない時代 賃
    金奴隷

第五章 国境開放の戦略

    第三世界の戦略の中で 湾岸戦争の「理念」
 一、ECにおける南への国境開放
    もし国境を全部なくしたら 増えなかったイタリア人移民労働者 イ
    タリア経済の復興 ECにおける「南」
 二、強制された国境開放
    イギリスのアイルランド併合 アイルランドヘの経済支配 第三世界
    支援としての国境開放
 三、開発における労働力移動
    ポスト植民地時代の工業化メカニズム 労働力移動と開発援助 本国
    送金 個人消費部門に流れる送金資金 本国送金は開発にまわるか
    民衆の労働を通じた資金移転 民衆経済の活性化 共栄の原理へ
    発想の転換

終章

    ヒトの国際化と多民族社会 シルクロードはここだ 日系アジア人への道

出典・注釈

あとがき

巻末資料

 一、未登録外国人のための権利の章典
 二、合法化の理由(移民難民政策に関する米国特別委員会報告、抄)
 三、全ての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約(抄)
 
 
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