『サンフランシスコ発:社会変革NPO』

(御茶の水書房、2000年)

 今なぜNPOか。民主主義制度の一環としてのNPO、経済 活動の革新者としてのNPO、NPOとしての自治体などを明らかにしながら、今後の市民社会ガバンナンスにおけるNPOの役割を提起 する。

サンフランシスコのパレード 2001年生協総 研賞受賞


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『サンフランシスコ発:社会変革NPO』目次


序章 レフトコーストから
  日米安保締結の地に 社会変革NPOの拠点 対抗文化が はじまった街
  船 を出して汚染者を取り締まるNPO 現代版ロビンフッド
   市民が環境法を執行 民間からの競争 インターネット経済
  パソコン、対抗文化を生み出した街
 
第一章 社会変革ベンチャーキャピタリスト
  NPO四種の神器

 一、年 間二〇〇〇万ドル助成の社会変革財団
  イノベーティブな社会起業家に助成 金がなくても財 団はつくれる
  理念もマネジメントも 多様な助成ニーズに対応 匿 名寄付
  寄付者生協 革新的フィランソロピー

  
 二、インキュベーター:NPOを育てる「孵化器」
  アイデアを試みる場 一人ではじめる社会起業家 多様な 支援の形態
  社会変革NPOの支援
 
 三、NPOがつくるNPOセンター
  低コストで歴史的建造物の省エネ化 公共・民間のパート ナーシップ
  
 四、NPOの情報ネットづくり
  ニカラグアでネットを起ち上げる NPOがインターネッ トをリードする
  市民ネットの可能性を極める 夢を追える社会
 
第二章 寄付の文化をつくる
 
 一、アメリカ人はなぜ寄付をするか
  篤志はメイク・センス ビジネス原理で第三世界支援
  コミュニティー開発の一部 寄付金税控除の役割
  アメリカの寄付金所得控除制度 ベンチャー投資して株の 寄付
  子どもたちと寄付の文化を共有
 
 二、寄 付の経済学
  死の経済学 経済合理性としての寄付
 
 三、電話をかけてNPO寄付
  ワーキングアセッツ社の電話事業 顧客の投票で寄付分配 を決定
  市民運動支援ビジネス 有望な「市民運動市場」
 
 四、インターネット財団の誕生
  マッケイン候補善戦の背後に 「ドット・オーグ」の台頭
  タイズの理念をオンラインに
  オンライン事業に全面展開したワーキング・アセッツ
  変革のための寄付 巨大ライバルの登場 今後の有望市場
  寄付者の主体的かかわりを強化
 
第三章 ボランティアの仕組みをつくる
 
 一、コンピュメンター
  四月のクリスマス 隠れたプロの集団 オンラインで登録  成功事例
  大手銀行に勤めるボランティア バーンライジング(納屋 立て)
 
 二、ベイキーパーを支えるボランティア
  海をパトロールして汚染者を告発
  政府役人、弁護士事務所、夜間大学、ボランティア
  専門ボランティアのネットワーク NPOとデータベース
  
 三、ボランティアを組織する仕組み・NPO
  ボランティアの中に有給職員 財団助成の多いコンピュメ ンター
  向こうからやってくる助成 資金集めの深遠 社会起業家
 
第四章、社会起業家・起業家社会
  
 一、失 業したらビジネス起こそう
  起業で女性の自立めざすWI マイノリティー地域で も
  起業家経済への移行の中で

 
 二、ビジネスで社会変革
  グリーン・ビジネス 買って投資してボイコットして社会 変革
  ビジネスを社会変革の手段に
 
 三、インターネットで有機農業
  街に届ける野菜バスケット 関東平野五—六倍の平原
  農業にこそインターネットは必要
  
 四、アメリカを変えるSOHO人
  広告で成り立つ無料誌 アーティストの生協「アーテ リー」
  SOHOを育てるインキュベーター 四〇〇〇万人の SOHO人口
 
 五、万国のフリーライター、団結せよ
  たたかうフリーライター 団体交渉と異なるモデル 労働 組合運動の多様化
  マスメディアの著作権独占を 全面勝訴
  
 六、シ リコンバレーでアジア系ベンチャービジネス急増
  ベンチャー資本もアジア系に注目 多様性は強さだ
 
 七、障害者の起業家経済
  人も歩けば犬にあたる 障害者のための最初のグローバル TVネット
  技術を信じた 三二万の重度障害の自営業者
  
 八、行政の中から起業
  教師の起業家精神 コンピュメンターの支援
  コミュニケートするための言語能力 中古パソコン寄付を 促進する新法
 
第五章、行政の役割
 
 一、NPO法人、申請書一枚、その場で成立
  カリフォルニア州務省法人課 議論が通じない
  情報公開で市民がチェックする
 
 二、市民参加局
  毎日開かれる公聴会議 カリフォルニア州公益事業委員会
  市民参加は決定をいいものにする 各州に「公開会議法」
 
 二、ユニークなNPO助成
  電話会社への罰金でNPO助成
  電話会社が一〇年間で八〇〇〇万ドル
 
 三、消費者のため行政内シンクタンク
  消費者権利擁護局 市民参加の決定過程があってこそ
  連邦政府とたたかう NPOシンクタンク コーラーID をめぐって
 
第六章 情報化時代の公共インフラ
 
 一、政府データベースの公開 −「メドライン」の公開をめ ぐって
  世界最大の医学雑誌データベースを無料公開
  一〇〇誌については全文記事テキストも 患者が最新の医 療情報を得る
  次々公開される米政府データベース 無料公開への法的根 拠
  医学情報の市民への拡大 商業データベース・サービスへ の影響
 
 二、図書館で商業データベース提供
  研 究難民 六〇以上のデータベースを提供するサンフランシスコ市立図書館
  全文記事もとれる 全国民のデータベースアクセス保 証

  商業データベースからの競争 図書館は生き残れるか
  自らの文化のデータを大切にする
 
第七章 市民社会をとりもどす
 
 一、市民団体としての自治体
  人口二〇人の自治体 世界最大の死者の町 学級会長も やってきた
  市議はボランティア 一一人の侍 九三パーセントの支持  民主主義の学校
 
 二、NPOの起源としての都市
  中世自治都市 法人の基礎としての憲章 憲章企業
  領域をもった全員加盟制NPO 法人の原点
 
 三、政府へのオルタナティブ
  政府より先にコミュニティーが 税金が取れるようになっ た政府
  社会主義へのオルタナティブ ユナイテッド・ウェイ
  「ボランタリーの失敗」 第三者にまかせる政府
 
 四、アドボカシーNPO
  分権的な公共の原理 政府機能の民間への拡散 汚染物質 情報の公開
  規制の「アウトソーシング」 新しい政治システムの変革
  アドボカシーNPO 市民社会の再生
 
巻末リスト:サンフランシスコのNPO中間支援組織
あとがき


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