恐ろしい。恐ろしいものを見た。バスが出発5分前、午前6時45分に出発した。
私は30分前にバスターミナルに来て、10分前にはブラショフ行きバスが居るのを確認して乗り込んだので大丈夫だった。しかし、乗り込んですぐバスが出発したのだ。あれ、早いな、と思って時計を見たら6時45分だった。いいのかよ、ぎりぎりに来る人だっているだろう。私なんていつもそうだ。
恐らく、予約した人はすべてそろったので出発した、ということなのだろう。予約なしで直接ターミナルに来たのは私ぐらいだったのか。
5分前というのは初めてだが、確かに今回の旅で(ギリシャから、ブカレスト、スチャバまで)、バスも鉄道もほぼ定時に発車していたように思う。だいたい5分か10分、時に30分や1時間遅れるのは普通だと思っていた。ところがどうもこの辺は違うらしい。市内バスなど、それで遅れたこともあった。時間通りに発車するなんて日本くらいだ、という思っていたが、訂正しなければならないかも知れない。
カルパチア山脈に戻る。急峻な岩山がビカズ川によって深く浸食された谷。そのビカズ渓谷の道路をバスが縫うように進む。この辺一帯はハスマス山地国立公園に指定されている。
この辺を頂点として、道路は下り坂になっていく。ほどなくして広大な平原地帯に出る。ブラショフなどトランシルバニアの町々はムレシュ川やオルト川などにつくられた盆地の中にあるようだ。(その二河川も含め、この辺の川はだいたい最終的にはドナウ川に注いでいる。)
以後、写真がない。バスの乗客の中に英語を話すルーマニア人が居て、共産主義時代の見方、現代のルーマニアについて有意義な話を聞くことができた。これについては後で書く予定。1時間くらいしゃべっていて、気づいたらブラショフに着いていた。