これがペルシャ湾だ。クウェートのクウェート市で。
空港から街へ市バスで
中東産油国に行くのは初めてだ。中東の地中海側は旅したことがあるが、ペルシャ湾側は、私にとっては未知の世界。確かに飛行機の中継地点などで訪れる以外、あまり来る機会はないかもしれない。だから来るのが楽しみだったし、空港から街に出るなり、ばちばち写真を撮り始めた。





生活は中東社会、インフラはアメリカ的車社会
最初は、珍しいのでバチバチ写真を撮っていたが、よく見ると街は普通の中東社会だ。カイロなどで見るイスラム圏の風景が広がるだけで、珍しいわけではない。人も中東世界で見るアラブ系の顔立ちをしている。徐々に写真撮影の頻度が落ちた。
街の表情は中東だが、街のインフラはアメリカ的な車社会だ。道路が広く、高速道路が縦横に走っている。中央アジアのだだっ広い街はソ連型都市だったが、ここのだだっ広い街はそれとは異なる。同じく砂漠にできた街、ロサンゼルス的なアメリカ型都市を感じさせる。
(ドバイなどはもっとそうだが)中東産油国には外国籍の人が多い。クウェート人口491万のうち実に337万(69%)が外国人だ(2023年)。本国人は31%に過ぎない。民族別人口(2018年推計)を見ると、最も多いのがインド、バングラディッシュなど南アジアを中心としたアジア系40.3%、次いでクウェート人30.4%、他のアラブ人27.4%、アフリカ系1%、その他0.9%などとなっている。



空港から宿に行って帰ってくるだけ
滞在時間21時間だ。夜、宿まで行き、翌日、昼までに空港に帰ってくる。宿の行き帰りだけの「観光」だ。中東産油国というのがどんなところか、だいたいのイメージをつかみたいだけだから、今回はそれでよしとする。
楽勝のはずが
宿は、東部海岸部ファハヒールの例外的に安いホテル(それでも6500円)を予約した。市バス13番で街中心まで行き、そこから16番、999番に乗ればファハヒールに行けるという情報を得た。市バスにはUSB電源がついていた。これで鬼に金棒。私の中古スマホでもバッテリー切れを心配することなく、グーグルマップを見ながら、宿近くまで行って降りられる。
ところが、実際には、2階建ての市バス999番はファハフィールまで行くが、16番はそこには行かなかい。あいにくその16番に乗ってしまった。おかしいな、おかしいな、方向が違うぞ。そのうち方向転換するのだろうと思いながら行くうち、とうとう空港の反対側Jleebターミナルで終点になってしまった。夜になっていたのでやはり焦る。いろいろ調べ右往左往し、最後にそのターミナルの運転手に聞いたら、正しい行き方を教えてくれた。そこから106X番に乗れば、快速でファハヒールに行く。ちょうどそのバスが出発するところだった。あやうくセーフ。旅でトラブルというのはどこまでも付いて回るものだ。ここにきてまで、また危ない橋を渡ったのか。
市バスの番号、誤りなのか古い情報なのか不明だが、いずれにしても間違った旅情報は旅行者を深刻な状況に陥らせる。私のブログも誤情報がないか十分注意しなければならない。
高層マンションの民泊部屋
真夜中近く宿に着いた。ドバイ最安クラスの宿だが、意外ときれいな部屋だった。Blue Wave Hotelという名称だが、看板は出ていない。海辺沿いの普通の高層マンションだ。見つけるまで地元民の手を大いに煩わせた。そのマンションの一室(3LDK)が3つのホテル部屋になっている。不思議な形式だが、想像するにこうだ。
新築ブームに沸くクウエートでは、外部の金持ちが投資のために新築マンションを買い、それをとりあえず民泊にして貸し出している。自分で管理するのは大変だ。管理会社に頼む。管理会社はそうしたマンション部屋を複数一括管理して、Blue Wave Hotelなどと名前を付け宿として運用する。ホテル管理を代行し、その費用を差し引いた売り上げをオーナーの口座に振り込む。
おそらくこうした形の民泊ホテルがクウェートで増えているのだろう。しかし、それにしてもなぜクウェートの宿は高いのか謎だ。まだ競争が激しくないのか。民泊部屋はがらがら空いたままになっているのか(実際、私が入った民泊も他の2室にはだれも入ってなかった)。クウェートは、ドバイほどの観光地はないので客が少ないのか。しかし、ドバイと同じように貧しい移民労働者は多い。安宿の需要は大きいはずだ。




朝、ホテルを散歩した後、またいろいろ迷いながら市バスで空港に戻る。短い滞在だったが面白い中東産油国体験だった。

