
「世界で最も奇妙な首都」
アスタナは、草原の真ん中に突如としてつくられた未来都市型の首都だ。多くの風変りな建築が建てられ、米CNNから「世界で最も奇妙な(異様な)首都」の称号を得た。
ソ連(カザフ自治ソビエト社会主義共和国)時代の1927年から独立を経て1997年まで、南東部最大都市アルマトイが首都だった。それが、当時のナザレバエフ大統領の強力なリーダーシップで北方の草原地帯に移された。遷都の理由をグーグル検索のAIに尋ねると次のような答が返ってくる。
「アスタナへの遷都は、旧首都アルマトイが抱えていた地理的な偏り、都市機能の限界、地震リスクといった問題を解決するためです。具体的には、より国土の中心部に近い場所へ首都を移すこと、アルマトイの過密と環境問題への懸念、地震が多い地域からの安全確保などが理由として挙げられます。また、ロシア人が多い北部の地域にカザフ人の人口を増やすという狙いもあったとされています。」
まあ、穏当なところだろう。AIというのは有力ウェブページから情報を集め平準的な回答を出してくれる。世の常識的な理解がどんなものか知るには便利な機能だ。しかし、これに加え、独裁政権の存在、石油マネーから来る潤沢な資金などの要因も加える必要があろう。
独裁政権の首都
独裁者というのは宮殿や首都を壮麗な愛玩物にしたい欲望をもつものだ。ユニークな高層建築の林立で有名な、今回の訪問先で言えばバクー、ドバイなどはいずれも独裁政権下でつくられた街。アゼルバイジャン首都のバクーは共産主義時代からの指導者一族が現在に至るまで権力を握っている。ドバイは世襲君主の首長国で公的役職の選挙はない。
カザフスタンも、ソ連時代にカザフ・ソビエト社会主義共和国閣僚会議議長(1984年 – 1989年)、カザフスタン共産党第一書記(1989年 – 1991年)など要職をつとめたヌルスルタン・ナザルバエフが、独立後も大統領職に就いた。憲法改正やその拡大解釈で任期を伸ばし、2019年まで30年に及ぶ長期政権を維持した。大統領辞任後も国家安全保障会議議長として院政をしいた。アスタナへの遷都もナザルバエフが主導したし、一時その首都を彼のファーストネームにちなみヌルスルタンと改名したこともあった。死者230人を出す2022年反政府デモでついに失脚するが、ソ連後の民主化は、カザフスタンでは2022年まで引き延ばされた。
潤沢な石油マネー
そしてカザフスタンは石油・ガスの主要輸出国だ。2024年の世界の石油輸出額統計をみると、カザフスタンは461億ドルで世界7位。1位のサウジアラビア
(1756億ドル)や、ドバイを含む2位のアラブ首長国連邦(1531億ドル)にはかなわないが、カタール(14位)、オマーン(16位)、クウェート(17位)の上を行き、バクーを控えるアゼルバイジャン(21位、145億ドル)も上回っている。この潤沢な石油マネーが、高価な新首都づくりを可能にした。
首都の象徴バイテレク









モスクも巨大で新しい




道路沿いにあったモニュメント。何だか不明。

無人運転高架型LRTを建設中

イシム側の北は旧市街



