別切り発券チケットはきつい
乗り換え保証のない別切り発券チケットはやはりきつい、もう止めよう、と思った。
うまく行けば、チケット代が安くなるののでこんなありがいことはない。前回のアフリカの旅では行きも帰りも問題なく、こんなうまい手はない、と思った。各便に大幅な遅れはなかったし、まして欠航はなかった。乗り継ぎがぎりぎりになった場合でもオンラインチェックインという手が使え、オンラインで送られる搭乗券(スマホ画面)を見せれば飛行機を降りてすぐトランスファー(乗り換え)エリアに入れ、次の飛行機に乗れた。オンラインチェックインができないと、一旦その国に入国して改めて出国手続きをし、カウンターで搭乗手続きをして再出国することになるが、その時間のかかるプロセスを回避できるということだ。今回のバクー行きではそれらがすべて裏目に出てしまった。
航空会社都合による欠航
まず、4つの組み合わせチケットのうち、最終のムンバイ・バクー間のアゼルバイジャン航空便が欠航になった。これは出発前3日前に知らせが来た。チケットを発券した予約サイトからのメールは「そのキャンセル便の返金を申し込みますか、あるいは全便のキャンセル・返金もできますよ」という内容だった。出発3日前を過ぎていたら電話で申し込む、とあったので、電話番号を調べて(メールには書いてない)、電話をかけると、番号は日本の番号なのに海外に転送されるのか、英語での対応になった。まずは、代替便を探してよ、というような交渉をするが、先方はけんもほろろ。代替便はない、返金あるのみ、の一点張り。こっちも憮然として相手の名前を聞いて電話を切る。その後、再度電話をするとずっと待たされる。おかしいな、さっきすぐ出たのは朝早かったからか。親切?なのは電話応答ウェイティングリストの何番目かを言ってくれること。「あなたは百五十何番目です。」
そうですか、そんなに電話がかかってくるのですか。それじゃあ、それにイチイチ応えて代替便を探すなんてやってられないですよね。すべて返金で対応するのが妥当なのでしょうね。よくわかりました。
オンライン・チャットなら(AI翻訳機能が使えるからだろう)日本語でもOKだというので、これを試す。全便キャンセル・返金を依頼する。すると、最終的な判断は「スケジュール変更専門部署」で(英語で)対応してもらう必要がある、ということでその電話番号を知らされる。電話すると、前述の通り最初に来たメールには「全便キャンセル・返金も可能」と書いてあるにもかかわらず、「それは当該関連航空会社のポリシーによる」のだそうで、さっそく調べたようだが、航空会社都合でキャンセルされた便以外の便のキャンセル・返金は無理だ、という返答。あくまで別切り発券チケットなので、欠航した航空会社便以外の便は「自社都合欠航」にはならないということらしい。
断っておけば、最初の苦情処理のような係の人はけんもほろろでどうしようもない人だったが、こうした専門部署で対応する人は非常に丁寧で誠意をもって対応してくれてはいた。大量に来る難題・苦情を最初の段階で徹底的に蹴散らし、残った対応可能な処理の部面で丁寧な人に当たらせる、という戦略なのかも知れない。
ええい、面倒くさい、とにかく行けるとこまで行って、行けなくなったら対応を考えればいい。代替便を自分で探してバクーに行くなり、安便があれば別のところに行ってもいい。別にバクーにこだわっていない。と出てきたわけだ。7月3日朝に日本を無事出発し、同一航空会社ベトジェット・エア便でハノイ、バンコクまでは無事たどりつくことができた。だが、そこでつまづく。
誤算続きでバンコクからの乗り継ぎ便に乗れず
第1の誤算。このハノイからバンコクへのベトジェット・エア便が2時間近く出発・到着が遅れた。バンコク着頃は夕方。が、次のムンバイ便の出発まで2時間程ある。急げば間に合うだろう、と踏んだ。
と、そこで第2の誤算。このバンコクからムンバイに飛ぶベトジェットエア・タイ航空はバンコク(スワンナプール)空港ではオンライン・チェックインが認められていない航空会社だった。いくらネット上でチェックインを試みてもボタンが反応しない。到着エリアに居た同航空案内係に確認しても、「できない」との返事。すべての航空会社がオンラインチェックインできるようになったと思っていたが、そうではないらしい。とすると一旦タイに入国してカウンターで対面チェックインだ。2時間あれば不可能ではないだろう、入国審査にダッシュ。
ところが何という人だ。タイはこんなにも観光客に人気なのか。入国審査に並ぶ人の群れ。しかも、よく見るとどうも個々の入国審査に意外と時間がかかっている。やっと私の番が回ってきたが、「TDACが登録されてない。あそこでやって来て」と入国手続を拒否される。TDAC?なんだそれは? ちんぷんかんぷんのまま元来た道を戻って、そのTDACなるものができる端末に向き合う。
これが第3の誤算だった。タイに入国することになるとは思っていなかったので入国条件について何も調べていない。バンコクには何度も来ている。ビザが要らないのはわかっているし、入国手続きも簡単だった記憶がある。ところが、何とタイはこの5月から入国管理電子化の一環としてデジタル入国カード(Thailand Digital Arrival Card, TDAC)なるものを導入したのだ。前もってオンラインで入国カードを記入し受け入れられてなければならない、という。そんなこと知るよしもなかった。
これをやってこなかった人は、入国審査場の専用端末で各種情報を入力することになるが、これが煩わしい。「タイでの宿泊先」って、そんなもの予約してない。そもそも入国してその日にすぐチェックインして出国する。その場合はどう書けばいいのか。機械は人間の係官のように融通は効かない。何度もはねられる。後には大勢の人が順番を待っている。じっくり取り組むわけにはいかない。あきらめて退散。もうムンバイ行き便は無理だ。覚悟を決めて対応を考えるしかない、と到着エリアの方に戻る。
パソコンの前に座ってじっくりとネット上で対応を検討したい。しかし、乗り換えエリアや搭乗エリアと違って、入国手続きエリアにはパソコンが使えるワークデスクもなければ電源がとれるチャージング・ステーションもない。私の旧式PCとスマホのバッテリーは切れそうだ。
飛行機を降りて入国審査や荷物受取場に向かうだけのところだ。普通の空港なら通路があるだけだが、バンコクの空港は巨大でこのエリアも大きい。いろいろ探して端の方、静かなところに、空港作業用と思われるコンセントがあるのを見つけ、そこに電源をつなぎ、床にすわって作業を始めた。見慣れているのか、空港スタッフも何も注意してこない。
タシケント行きの安便があった
他のバクー便はないか、その便はオンラインチェックインができるか、一旦タイに入国する場合、バンコク安宿状況はどうか、そもそもTDACとは何ぞや、私のような「数時間滞在」入国の場合、どう書けばいいのか、バクー行きをあきらめるとすれば、どこか他に安便はないか、その際、新たな中央アジア徘徊ルートはどう組めばいいのか。いろんなことを調べ、考えなければならない。しかし、パソコンの前で腰を落ち着けて調べられるということは素晴らしい。何か解決策が見つかりそうだ。
するとウズベキスタンのタシケントまで翌朝2万8000円という安便が目にとまった。例外的、圧倒的に安い。しかも直行便。中央アジア走破ルートをどう組みなおすか呻吟していたが、そんなことは忘れ、ほぼ即断で予約してしまった。セントラム航空(Centrum Air)というあまり聞いたことない航空会社だ。2年前にできたウズベキスタンの半官半民航空会社という。LCCとは違い、荷物制限もなく飛行中に食事も出る。そして何と、この7月4日に最初のバンコク・タシケント便を就航する、とあるではないか。初の便だから安くしてあるのかも知れない。何というめぐりあわせだ。この5月からタイTDAC導入というのは悪いめぐりあわせだったが、このタシケント行き就航初便というのは良い方の奇跡的めぐりあわせだった。
セントラム航空もオンライン・チェックインはできなかったので、即トランスファー・エリアに移動することはできない。一旦入国、カウンター・チェックイン、再出国になる。難物のTDAC対策を時間をかけ入念に検討。すでに時計は0時をまわっていたが、無事、4日付でのタイ入国を果たし、例のごとく空港の片隅で「野宿」。ひじ掛け仕切りなし連続イスがたくさんあり、問題なく寝れた。翌朝、無事、カウンターでチェックインができ、機上の人に。そして、7月4日午後4時半、タシケント着。まだ日の高いタシケントはこの日、今年最高の摂氏44度を記録していた。
以下、ハノイ、バンコクを経てタシケントの移動を写真を交え紹介する。
10年ぶりのハノイがなつかしい
上記行程を写真で紹介する。7月3日午前に名古屋を出て、最初の乗り継ぎ地はハノイだった。現地時間午後1時頃ハノイ・ノイバイ空港着。ハノイは10年程前、通信社の仕事で2年間暮らしたところで、なつかしい。あの頃に比べると近代化したのではないか。オートバイのあふれる街の風景は変わってないか。いずれまた本格的に行ってみたいと思っているが、今回は数時間の空港滞在のみだ。






バンコクの空港到着

ウズベキスタン・セントラム航空のバンコク就航便に乗る






