これは使える、マニラ空港乗り換えラウンジ(ターミナル2)

サンフランシスコまで50時間の旅

サンフランシスコへは関空、台北、マニラ経由になった。名古屋の自宅からサンフランシスコまで計50時間の旅。その代わり片道5万5000円と、調べた限りの最安料金になった。

はじまったばかりのピーチ航空・関空・台北便のキャンペーン料金、台北からサンフランシスコまでマニラ経由のフィリピン航空が格安料金を実施しているためらしい。

マニラ空港、乗り換えで22時間

マニラ空港へは夜11時に付いて翌日の夜9時半出発という接続待ちになった。まる1日、間が空く。かの悪名高いマニラ空港へ深夜着。しかも激しい雨が降っていた。フィリピン航空機の着く第2ターミナル近くにホテルがないことはないが、できれば空港の中で夜を明かしたい。厚着できる衣類を用意し、床に敷くための新聞紙なども用意したが、思いのほか素敵な接続便待ちラウンジがあった。

乗り換え用空港ラウンジがあった!

飛行機を降りると「国際便乗り換えの人はこちら」という声がかかり、乗換待ちラウンジに連れていかれた。何とゆったりしたイスやほぼ平らに寝そべられるリクライニング・イスもある。枕と毛布があり、トイレ・シャワーがあり、お湯も飲め、大型テレビもある。入国管理を通って外にも出られるが、ここで寝ようと即断した。

バックパッカー向けガイドには第1、第2ターミナルで寝るのは無理で、第3ターミナルにまでシャトルバスで行けば、何とか寝られるところがあると書いてある。しかし、それは通常の到着エリア、出発エリアのことらしい。国際便の乗り換え(トランスファー)客のためには入管を出る前の特別空間にゆったりとした休憩ラウンジがあるのだ。いつつくられたのか分からない。2011~2013年に、「世界最悪の空港」という評価を受けてしまったマニラ空港だ。威信をかけて整備したのかも知れない。とりわけナショナル・フラッグキャリアのフィリピン航空の国際線トランスファーだ。力を入れたのだろう。

マニラ空港ターミナル2、フィリピン空港の乗り換え時休憩用のラウンジ内部。
ゆったりとしたイスの他、ほぼ平らに倒せるリクライニングシートがあり、ここで寝られる。毛布もある。トイレ、シャワーも完備。

ゆっくり寝られた

おかげでゆっくり寝られた。乗換客の出入りで多少うるさいし、「どこどこ行き〇〇便がまもなく出発します。お乗りの方いませんか」というアナウンスが頻繁に入る。しかし、諸君のような歴戦のバックパッカーなら気にならないだろう。空港の通常のイスや床で寝るよりずっといい。飛行機内での就寝、高速バスでの夜明かしなどよりはるかにましだ。朝、快調に目覚め、次の一日を有効に活用することができた。

翌日はマニラ観光

翌日の出発便は夜の9時半だった。一日中このラウンジに浸っているは能がない。せっかくだからマニラ観光に出かけよう。ラウンジ入口の受付で、外に出たいと言うと、

「えー!ここはトランスファー(乗換)ラウンジだから、本当はダメなんだよう。」

と言いながらも、何やら書類を用意して、出入国管理の外に出られるようにしてくれた。昨日、乗り換えのため空港に着いたが、この乗り換えラウンジで一夜を明かした、という証明らしい。確かに前日の飛行機で着いた客が次の日に入国審査を通るのは変だ。その辺のところ、間違いなきようにしてくれたのだろう。

ただし、一旦外に出てしまうと、この乗り換えラウンジには戻れない。当たり前と言えば当たり前だが、再度、出国審査を通ってきても、勝手にはこの乗り換え客専用の空間には入れないということだ。

乗り換えを活かして節約型マニラ1日観光、の策

以上から、結論として言えることは、マニラ空港で丸一日くらい空くフィリピン航空の乗継便を利用すれば、宿泊代無料でマニラ一日観光ができる、ということだ。必ずしも安全とは言えないマニラ市内を、宿探しで右往左往するリスクを回避できる。もちろん、飛行機に預けた荷物(トランクなど)は最終目的地までのスルー(through)にしておけば(普通そうしてくれる)、マニラ市内に重い荷物を抱えて出ることもない。

フィリピン航空はどこに行くにも安めの料金を提示している。私の場合も、台北からサンフランシスコに飛ぶのに、同航空でマニラを経由するのが最安だったわけだ。遠回りは大変だが、マニラ1日観光をしに行くと割り切れば、これはこれでなかなか魅力ある策と言える。