ポール・サイモンのコンサート

SFゴールデンゲート・パークでのポール・サイモンのコンサート。約2時間、約20曲を歌い続けた。数万人が集まるサマー音楽祭では、なかなか「実物」の顔が見えるところまでは近づけない。

カミさんと、ポール・サイモンのコンサートに行ってきた。我ら世代の青春の思い出「サイモン&ガーファンクル」のポール・サイモンだ。昨年全米・欧州各地で行った「さよならツアー」で引退を表明していたはずだが、今夏、サンフランシスコ恒例の野外音楽祭「アウトサイド・ランズ」に出演するというので、高い身銭を切って見に(聴きに)行った。

8月11日(日)午後7時35分~9時35分、3日に渡るサマー音楽祭の最終日の最後。サンフランシスコ・ゴールデンゲートパークのポロ・フィールド(元の競輪場)のメイン会場で、77歳のポールは2時間ぶっ続けで、約20曲を歌い続けた。

前日までのサンフランシスコ特有の深い霧がこの日はすっかり晴れ、海側に近いGGパーク大会場でも雲一つない空となった(SFとしては珍しい)。毎年20万人を動員しているというこの音楽祭(複数に分かれる各会場で数万規模か)。ステージのかなり前まで近づいたと思ったのだが、それでも出演者の実物の顔は見えない。巨大なスクリーンに映し出される映像でそれが確認できる。

ということは、テレビで見る映像と変わりなくなるということだが、それでも、同時にその場所に居あわせた体験、ということで納得する。音楽は巨大なスピーカーで広いポロ・フィールド全体に行き渡った。

会場の入り口付近。遠くにメインステージが見える。周辺には食べ物や飲み物の売店がたくさん出ている。入場は荷物検査が厳しかった。バックパックは持ち込めない。ライフル銃で武装した警官隊も警備に当たっていた。彼らは、雰囲気を壊さないよう目立つ所には立たず、陰でこっそり見張っているのだが。
会場内では、音楽に合わせて踊り出す人も。
メインステージ近くのかなり前までもぐりこんだ(と思ったのだが)。ここは料金の高いVIP席で、ゆったりとしたスペースがあり、専用のバーが開設されている。そのすぐ後ろの柵外の一般席にもぐりこんだわけだ。眺望がよく、柵にもたれられるので楽だ。うまいところに入った。
後ろはこの人出。
仮設トイレも何十と並んでいる(こういうところが他に数カ所)。それでも入るには列に並ばなければならない。
休憩時間に空いた会場芝生を見ると、ゴミもたくさん落ちている。多数のスタッフが出てゴミ拾いをしていた。
いよいよポール・サイモンの出番。心なしか周りの観客に熟年世代が増えたように感じる。
歌い始めは昼間だったのに、ポールが2時間歌い続けるうち終わりは夜になっていた。

しかし、何だね、彼が20曲近くうたった歌のうち、知っているのはBridge Over Troubled Water、Boxer、Sounds of Silenceの3曲だけだった。後はロックか今風の知らない旋律ばかり。ちょっと残念だったが、ポール・サイモンは今も進化を続けているということなのだろう。新しい分野にどんどん挑戦している。

我々熟年世代も、過去をなつかしがるより、どんどん前に進んで行かなければ。