モルドバ首都キシナウを発ち、ガラチ、ブカレストへ
8月13日、2カ月居たモルドバ首都キシナウに別れを告げる。西回りでの日本への帰路、サンフランシスコに寄る。まず、安便があるブカレストまで約400キロをバス。そこからロンドン経由の格安航空会社(LCC)便でサンフランシスコに向かう。
ブカレストまでの中間地点に、ウクライナ国境と近いドナウ川河畔の街ガラチがあり、ここに1泊した。ロシアを除くヨーロッパ最長の川ドナウ。今回の旅でその中流をずっと見てきたが、下流部もぜひ見たかった。
ドナウ下流の河岸港都市、ガラチ
ガラチからブカレストへ
空路ブカレストからロンドン経由サンフランシスコへ
サンフランシスコへはブカレストからロンドン経由の格安航空会社(LCC)便が最安だった。モルドバのキシナウなどマイナーな都市から発つと高くなる。それでわざわざバスでブカレストまで出たわけだ。
Trip.comサイトで予約したが、運賃は合計で7万2000円。しかし、実際にはロンドンまでがWizz Air(ハンガリー系LCC)、サンフランシスコまでがNorse Atlantic Airways(ノルウェイ系LCC)と別会社フライトに分かれている。しかも、ロンドンではルートン空港に着いてガットウィック空港から出る、という風に約80キロ離れた別空港に自己責任で移動しなければならない。乗り換え時間は10時間程度あるが、遅れたら接続がなくなる(保証されない)。8月14日 21:15にブカレスト空港を発ち、同日 22:50にロンドン・ ルートン空港着、翌15日 10:00にガトウィック空港を発ち、同日 13:25 サンフランシスコ空港着というスケジュール。
ご用心:LCC追加料金
LCC利用はいろんなところに落とし穴があるので常に目を光らせてなければならない。運賃が安くなるのは素晴らしいが、例えば、荷物が重量オーバーしただけで超過料金を取られる。キャンセルや予定変更もできないか、それがいやなら追加料金でそれなりの切符を買う。席を選んだり、機内食をとっても料金がかかる。安閑としているとたちまち通常運賃とあまり変わらない出費になる。
以前より荷物の重量制限が厳しくなった気がする。前は、小さいトランク程度の荷物(55 x 40 x 23 cm、重量10キロ)を無料で機内に持ち込めたと記憶するが、今はバックパック程度の小さい荷物(40 x 30 x 20 cm、重量10キロ)しか許されない。モルドバで徹底的に荷物を捨てた。東欧ガイドブックも集めた地図類も、缶切り、歯磨き粉その他小物も。衣類も半減。帰路だけに使う軽いおんぼろ中古バックパックを仕入れ、重いトランク型バックパックは捨てた。私の持ち物など新たにそろえても計数千円で収まるものばかり。手荷物サイズオーバー料金30ユーロ(4700円)を回避するためには思い切り捨てられる。機内など冷房の強いところで必要な厚目の上着は捨てられない。「荷物」にしないでできるだけ着て搭乗する。スマホその他小さいものはポケットに詰め込む。身に着けて行けば「手荷物」の重量にはならない。
事前オンライン・チェックインせず追加料金7000円
こうして細心の注意を払って手荷物サイズ・重量はクリアしたが、思わぬ伏兵。搭乗時間の3時間前までにオンライン・チェックインをしなかったということで、ブカレスト空港で45ユーロ(約7000円)を取られた。「え、高いだろう!」とカウンターで大声を上げた。ベテランらしい係員が寄ってきて説明しはじめた。確かに、予約時の説明に事前オンライン・チェックインが必要とのことが書いてあった。それに十分留意しなかった私が悪い。しかし、こんな決まりはこれまで、そして今回使った他のLCCでもなかった。どこも空港に行って普通にチェックインできた。ロンドンまでのWizz Air便だけだ、こんなのは。
しぶしぶ、別の専用カウンターでお金を払い、チェックインカウンターに戻る。係員たちがナーバスそうに私を見ている。確かにこれは怒り出す乗客が多く、トラブルが絶えないのだろう。無理筋の要求をしなければならないLCC係員たちもストレスが大きいと思われる。特に私は大声を出したので、彼ら・彼女らも構えたようだ。大丈夫だよ、私はあばれたりしないから。
なお、このLCCは、事前オンライン・チェックインして得た搭乗券を印刷して持参しなければならないと書いてある。出発地ならまだしも、貧乏旅行者が旅先でプリンタにアクセスするのは至難の業だ。昔はネットカフェに行けば安い料金でプリンタ印刷できたが、今はネットカフェがほとんどつぶれている(皆スマホを使うから必要なくなっている)。貧乏旅行者が入るような安宿にはプリンタがないし、そもそもレセプションがないアパートホテルであることが多い(ドア鍵パスワードをメールで教えてもらい自分で勝手に部屋に入る)。空港にはプリンタが使えるキオスクがあるというが、ブカレスト空港にはなかった。
また、このロンドン行き便は、出発が2時間程度遅れた。前もってメールでの連絡が来たのはよいが、チェックインの時間帯はそのままだった。出発の3時間程度前にチェックイン終了になったのに驚いた。これが通常の仕組みなのか。出発が遅れるならチェックイン手続きも遅くまでやっているのではないか。ゆっくりチェックインカウンターに行ったら、終了時間ぎりぎり。あやうく搭乗できずサンフランシスコまでの切符をフイにするところだった。辛うじて乗れただけでめっけものと思わなければならない。