アテネまで3万2000円

まあ予定通りなのだが、東欧に旅立つ安切符を買った(家に孫が来て後ろ髪を引かれるのだが…)。10月22日成田発アテネ行きの航空券が何と、片道34,700円だった。日程変更可の格安航空会社(LCC)便の切符だが、日程変更できない切符にすると32,540円だ。驚くべき安さ。1ドル=140円台という円安の時代にこの料金なのだ。東京から鹿児島までの新幹線料金30,740円に匹敵する。ヨーロッパが近くなった。(シンガポールの格安航空会社「スクートScoot」便。シンガポールで10時間待ち経由で計29時間。多くのLCC便同様、無料の荷物は持ち込み手荷物10キロまで、無料機内食なし。各種ネット予約サイト参照。)

毎日こんな便があるわけではない。しかし夏や年末年始以外なら1週間程度前に予約すれば曜日によって3万円台の安便がある。今回は意外にも土曜日発の安便があった。LCCは荷物重量が制限されるが、これは身軽で旅行する我々バックパッカーにはいいチャレンジになる(1万円程度出せば大きな荷物も可)。1回乗り換え計29時間も、我々安便狙いのバックパッカーとしては上等の方だろう。

名古屋から飛ぶとだいたい数万円は割高になるので、東京発を探した。今回の便は朝10時成田発なので前日には成田に行っておく必要がある。東京まで高速バス(昼の早割料金2800円)を予約。成田の宿は、おそらく成田山詣でのためのドーミトリーなのだろう3000円で予約した。これらを含めてもヨーロッパまで3万円台で行けるというのはありがたい。

昔からアテネは安便発着地として有名だった。アジアならバンコク、ヨーロッパならアテネだ。(ロシアのエアロフロートを使えば他の欧州都市へも安く行ける。2019年3月にマドリードから東京まで3万9000円だった。しかし、今のご時世ではもちろんこれは使えない。…さらに大昔はシベリア鉄道でヨーロッパへというのも有名だったなあ。)

前に、日本からのアジア旅行なら上海まで1万円程度の安便で行き、あとは東南アジアでもモンゴルでも中央アジアでも安い寝台バスや鉄道でどこまでだって行けるという安旅の秘訣を書いた。ヨーロッパならまずアテネに行き、そこからバスや鉄道でどこまでだって安く行ける(時間さえあれば)。海外旅行は決して金持ちだけが行くのではない。旅費や生活費を切り詰めるノウハウさえ熟達させれば、貧乏人でも行ける。

2018年から2019年にかけて4カ月間ヨーロッパを旅したとき、計算すると旅費を含め1カ月18万円の出費で済ませられた(旅費を除くと14万円)。日本に普通に暮らしていてもこれくらい使う人はいくらでもいるだろう。

お、アテネ3泊のホテルをbooking.comで予約したら1泊2000円のホテルがあった。アパートを改造したホテルのようでシャワー・トイレ付きのダブルルームなのはもちろん、簡易キッチンや冷蔵庫、TV、ネット他も付いている。これならアパートとして1カ月使っても6万円だ。東欧での生活に展望が見えてきた。旅費含めて日本で暮らすより安くあがるかも知れない。