自転車:オリンダからブリオネス山地

時差ぼけにめっぽう弱い。太平洋を越えてきて1週間はまずまともなことはできない。とにかく昼、強い日差しを浴びて自転車をこぎ、体内時計を合わせることに注力した。6月14日には、コンコードからオリンダ、ブリオネス貯水池方面まで遠出した。

今回のサイクリングコース地図

黒が実際に自転車を走らせたルート。赤が本当なら通るべきだったルート。地図がないので、若干はずれた。起点と終点は私の家からも近いコンコード・コミュニティ公園とした。© OpenStreetMap contributors, CC BY-SA。

サイクリングに限らず旅に出ると何かしら忘れものをする。今回は尻当てクッションと目的地周辺地図と磁石を忘れた。恐らく60~70キロになるはずで尻が腫れるだろう。オリンダからブリオネス山塊の地図を忘れたのは大きい。コンコード近場の地図しか持ってこなかった(通信サービスに入ってないのでGPSは使えない)。オリンダは前に逆方向から一度だけ行ったこことがあるし、アルハンブラ渓谷はイーストベイ湾岸に行くときいつも通っているルートなので何とかなるかも知れない。磁石は、太陽が真上だとないと困るが、まあ何とかなるか。

そう思って前に進んだが、案の上、いろいろ無駄足を食った。特に上記地図でモラガの方まで行ってしまったのがかなりの遠回りだ。が、健康で幸せそうな郊外の街を見られてよかったかもしれない。そこに行く前、アカレインズ尾根を縦断する山岳路に入ってしまったのも失敗だった。まるでマウンテンバイキングになってしまった。本当はウォルナットクリークからオリンピック通りを西進していくのが正解だった。が、これも山からの素晴らし景色が見られたので良しとしなければならない。目的地があるわけではない。サイクリングを楽しむためのサイクリングだ。多少コースを外れるのも楽しみのうちだろう。

(後日知ったが、モラガは、私の所属している日系合唱団の大先輩で最近亡くなった方が住んでおられた所だった。亡くなられてから、偉大な業績や人柄を知ることになり、存命中にもっと深く交流させて頂いておけば、と悔やまれていたところだった。その魂に引き寄せられたのかと思った。)

地図上に図示した起点・終点はこのコンコード・コミュニティ公園。平日の昼、暑い時の写真なので人がほとんどいない。別にコロナのせいではなく、もとからそうだった。涼しい時期や週末は人が多い。
ディアブロ平原(コンコード、ウォルナットクリーク周辺の盆地)では、主要散歩・自転車道が、コントラコスタ・キャナル(用水)に沿って走っている。総延長76キロのキャナルは、東方30キロのサンヨッキン川・サクラメント川のデルタ地帯から水を取り、この地域の飲料水、農業用水を供給する。ディアブロ山裏側のロス・ヴァケーロス貯水池(奥多摩湖よりやや大きい570ヘクタール)などからも来る。
同上。
ルートを間違えて、アカレインズ尾根を縦断するはめに。まるでマウンテンバイキングだ。しかし、この絶景が見られたのでよかった。プレザントヒル、コンコードからスイサン湾方面を望む。キャナルからの水がなければこの緑の平原はない。
私の所有する別荘からは遠方の山々が見渡せる。(へたなジョーク。)
ラファイアット(人口2万6000人)の古いタウンホール(町庁舎)。現在は劇団が使っている。
ルートを大きく外れ、山間の小都市モラガ(人口1万6000人)に迷い込んでしまった。日曜のファーマーズマーケットが開かれていた。皆、マスクをしている。
オリンダの街(人口2万人)。郊外地下鉄BARTで通ることはあっても。あまり下りない街だろう。所得が高く、都市中心部に通うプロフェッショナルが多く住む典型的な郊外都市。
ブリオネス山地の中に290ヘクタール(相模湖程度)のブリオネス貯水池がある。隣接するサンパブロ貯水池とともに、イーストベイ諸都市160万人の主要水ガメ。周辺の降水量は少ないので、遠くシエラネバダ山脈から流れ出るモカラミ川からパイプラインで大量の水を導入している。
さらに北上すると、イーストベイ湾岸部とディアブロ平原を結ぶ地方道アルハンブラ渓谷ロード(交差している道路)との十字路にぶつかる。ここまで来ればいつも往復している通いなれた道だ。
この坂道の難所を登り切れば、あとは下り坂だ。
このあたりはブリオネス山地を含めたイーストベイ山塊の分水嶺にあたる。周囲には山の頂上付近にも家がある。どういう人が住んでいるか。牧場地帯であることは確かだが。
いつもの通り慣れた道を下り、プレザントヒルからコンコードに入って来る。ここまで来れば家は近い。コンコードは隣町ウォルナットクリークに比してサイクリストが少ないように感じる。